さくら

グールドのブラームスを聞いている


RHAPSODY IN B MINOR を聞くと

「さくら」を弾き残してほしかったとすごく思う


音楽を愛し

ピアノを愛し

歌を愛したグールドが

人間嫌いであったはずがない

と僕は思う


人間が大好きで

いたたまれない気持ちが彼を奇行に走らせ

やむにやまれぬ気持ちがピアノの旋律を作っている


一音一音に気持ちや想いがこもるあまり

人間グールドは孤立したのだと思う

理解者を持つこと

一流の表現者にとってその存在は

一流の人間でいられるかどうかの分かれ目になるような気がする